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INTRODUCTION

1993年6月、ニューヨークのプリンス・ストリートにあるアキラ・イケダ・ギャラリーにおいて、開催された KUNIHIDE OSHINOMI 展にはレバーハンドル、照明器具、チェア、ソファ、ベンチ、ダイニングテーブルそして大阪東京海上ビルの模型が展示された。 この展示を見て寄せられたニューヨーク近代美術館のテランスライリィのコメント。

押野見邦英の作品には、まれにみる現代建築家のように、日々の偶然の出来事の変転を越えたところにある完全な状態を模索し続ける姿があらわれている。彼の正式な合理主義の厳粛さは非常に小さなスケールから巨大なものまでをつらぬいている。実際、その建築作品は、別のいっそう広範な次元を示唆するかのようだ。それは作品の存在自体の重大さを内省することを通して現にされる厳格な本質の世界である。詩人エマーソンの言葉が適当である。

精神は、それぞれおのれ自身の家を建てる。この精神の家のかなたには、世界があり、 この精神の世界のかなたには、天界がある。それゆえ、あなた自身の世界を創造せよ。

- 詩人・エマーソンの言葉より

テランス・ライリィ
ニューヨーク近代美術館 建築・デザイン部門ディレクター
1994年6月17日